Journal

居住支援とは?改正住宅セーフティネット法をわかりやすく解説

居住支援約5分で読めます

「高齢を理由に賃貸住宅を断られた」「身寄りがなく、保証人を頼める人がいない」——住まい探しでこうした壁にぶつかる方は少なくありません。一方で、貸す側の大家さんにも「入居後に何かあったらどうしよう」という不安があります。

この両方の不安を解消するための取り組みが「居住支援」です。2025年10月1日には改正住宅セーフティネット法が施行され、居住支援の仕組みが大きく変わりました。この記事では、居住支援の基本と、法改正の4つのポイントをわかりやすく解説します(情報は2026年11月時点のものです)。

居住支援とは

居住支援とは、住まいの確保に配慮が必要な方が、賃貸住宅に円滑に入居し、安心して暮らし続けられるように支える取り組みのことです。住まい探しの相談や物件の紹介だけでなく、入居後の見守りや生活の相談、退去時の手続きまでを含みます。

法律では、こうした方を「住宅確保要配慮者」と呼びます。主な対象は次のとおりです。

  • 高齢者
  • 障害のある方
  • 低額所得者
  • 子育て世帯
  • 被災者
  • このほか、外国人、DV被害者など、国や自治体の計画で定められた方

居住支援を担う3つの仕組み

仕組み内容
セーフティネット住宅住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として、都道府県等に登録された住宅
居住支援法人都道府県が指定する法人。住まい探しの相談、入居後の見守り、生活支援などを行う
居住支援協議会自治体、不動産関係団体、居住支援法人などが連携し、相談体制や情報提供を整える会議体

改正法では、市区町村による居住支援協議会の設置が努力義務とされ、地域ごとの相談体制づくりが進められています。

2025年10月施行・改正住宅セーフティネット法の4つのポイント

1. 「居住サポート住宅」の創設

居住支援法人等が大家さんと連携し、入居中のサポートを行う賃貸住宅を「居住サポート住宅」として、市区町村(福祉事務所を設置する自治体)等が認定する制度が始まりました。認定された住宅では、主に次のサポートが提供されます。

  • ICT機器などによる日常の安否確認
  • 訪問などによる見守り
  • 生活や心身の状況が不安定になったときの、福祉サービスへのつなぎ

入居者は見守りを受けながら暮らせ、大家さんは「異変に気づけない」という不安を軽減できる仕組みです。

2. 家賃債務保証業者の認定制度

住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を、国土交通大臣が認定する制度が創設されました。認定を受けた保証業者は、居住サポート住宅に入居する要配慮者の保証を原則断らないこと、緊急連絡先を親族などの個人に限定せず法人でも可とすることなどが求められます。身寄りのない方でも保証を受けやすくなることが期待されています。

3. 残置物処理を居住支援法人に委任できる

入居者が亡くなったとき、部屋に残された家財(残置物)の処理は大家さんにとって大きな負担でした。改正により、居住支援法人が受任者として残置物の処理等を行えるようになりました。国が公表している「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を活用し、入居時に委任契約を結んでおく方法です。

4. 終身建物賃貸借の手続きの簡素化

終身建物賃貸借とは、入居者が亡くなったときに契約が終了し、賃借権が相続されない賃貸借契約です。これまでは住宅ごとに認可が必要でしたが、改正により事業者単位での認可に簡素化されました。相続人を探して契約を解除する手間がなくなるため、大家さんが高齢者に貸しやすくなります。

借りる人・貸す人にとって何が変わるか

立場主な変化
借りる人見守り付きの住宅を選べる/保証業者を利用しやすくなる/身寄りがなくても入居の相談がしやすくなる
貸す人(大家さん)入居中の異変に気づきやすくなる/残置物処理や契約終了の手続きの負担が軽くなる/改修費補助などの支援を受けられる場合がある

当社の見解としては、今回の改正は「福祉の制度」であると同時に「賃貸経営の制度」でもあると考えています。単身高齢者が増えるなか、居住支援の仕組みを理解しておくことは、借りる側・貸す側の双方にとって重要になっていくでしょう。大家さん向けの具体的な活用方法は居住支援法人と連携して貸す方法で解説しています。

よくある質問

Q. セーフティネット住宅と居住サポート住宅の違いは何ですか?

A. セーフティネット住宅は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として登録された住宅です。居住サポート住宅は、それに加えて居住支援法人等による安否確認・見守り・福祉へのつなぎが提供される住宅として認定されたものです。

Q. 居住支援法人に相談するのに費用はかかりますか?

A. 相談は無料で受け付けている法人が多いですが、見守りや残置物処理などのサービスは有料の場合があります。内容と費用は法人ごとに異なるため、事前にご確認ください。

Q. 改正法の施行前から住んでいる賃貸住宅にも関係がありますか?

A. 既存の契約がそのまま変わるわけではありません。ただし、大家さんが居住サポート住宅の認定を受けたり、残置物処理の委任契約を新たに結んだりすることは可能です。

まとめ

  • 居住支援とは、住まいの確保に配慮が必要な方の入居と、入居後の暮らしを支える取り組み
  • 2025年10月1日に改正住宅セーフティネット法が施行された
  • 改正の柱は「居住サポート住宅」「家賃債務保証業者の認定」「残置物処理の委任」「終身建物賃貸借の簡素化」
  • 借りる人の入居のしやすさと、貸す人の不安の軽減の両方を目指した制度

参考情報・出典

※本記事の情報は2026年11月時点のものです。制度の詳細や認定要件は、国土交通省または各自治体の窓口にご確認ください。

新着記事をメールでお届けします

不動産の売却・購入・投資に役立つ記事を公開したときに、メールでお知らせします。登録は無料で、いつでも配信を停止できます。

登録後に確認メールが届きます。配信はいつでも停止できます。

Contact

不動産のご相談は、いつでも・何度でも無料です。

売却・購入・投資・相続まで。まだ方針が決まっていない段階でもお気軽にご連絡ください。オンラインで全国からご相談いただけます。

ご用件が決まっている方は、こちらから