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不動産投資の空室対策|岡山の賃貸市場の現状と、家賃を下げる前に試したい改善策

不動産投資約8分で読めます

「募集を出しているのに、なかなか入居が決まらない」「退去が続いて利回りが下がってきた」——収益物件を保有するオーナー様から、こうしたご相談をよくいただきます。

空室は、家賃収入が入らないだけでなく、物件の評価や売却価格にも影響します。一方で、すぐに家賃を下げることが最善策とは限りません。この記事では、岡山の賃貸市場の統計データをふまえて、空室が埋まらない原因の見つけ方と、費用をかけずにできる対策から設備投資、出口戦略までを順に解説します。

岡山の賃貸市場と空室の現状

まず、統計から岡山の状況を確認します。総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年10月1日時点)の結果は次のとおりです。

項目数値
岡山県の空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)16.5%(全国13.8%)
岡山県の賃貸用の空き家65,000戸
岡山市の賃貸用住宅の空き家率18.83%
倉敷市の賃貸用住宅の空き家率22.16%

※岡山市・倉敷市の数値は、同調査をもとに「借家ストックに占める賃貸用空き家の割合」として集計されたものです。管理会社などが公表する「空室率」とは算出方法が異なるため、目安としてご覧ください。

この数字から分かるのは、岡山では「借り手より貸し手の選択肢が多い」状況にあるということです。入居者は複数の物件を比べて選ぶため、「選ばれる理由」がない物件は空室が長引きやすくなります。ただし、同じ市内でもエリアや駅からの距離、間取りによって状況は大きく異なります。

空室が埋まらない主な原因

空室対策は、原因を見極めることから始まります。原因によって、打つべき手がまったく変わるためです。

1. 家賃・条件が周辺相場とずれている

同じエリア・同じ間取り・同程度の築年数の物件と比べて、家賃や初期費用が高すぎないかを確認します。ポータルサイトで条件をそろえて検索すると、入居希望者からどう見えるかが分かります。

2. 募集情報で魅力が伝わっていない

入居希望者の多くは、インターネットで物件を探します。写真が暗い・枚数が少ない、設備や周辺環境の情報が不足しているなど、「内見する前に候補から外れている」ケースは少なくありません。

3. 内見で選ばれていない

お問い合わせや内見はあるのに決まらない場合は、室内の印象に原因があることが多いです。異臭や汚れ、共用部の清掃状態、古さが目立つ設備などを確認しましょう。

4. 想定する入居者と物件が合っていない

単身向けなのか、ファミリー向けなのか。学生・社会人・高齢者のどの層を想定するのかによって、求められる設備や条件は異なります。周辺の大学や事業所、商業施設など、エリアの需要と物件の特徴が合っているかを見直します。

費用をかけずにできる空室対策

まずは、大きな費用をかけずに試せる対策から始めます。

  • 募集写真を撮り直す:晴れた日の日中に、照明をすべてつけて撮影します。室内だけでなく、収納・水回り・眺望・周辺環境の写真も加えます。
  • 募集条件を見直す:敷金・礼金などの初期費用、ペット可・楽器可・二人入居可など、入居できる人の幅を広げられないか検討します。
  • 仲介会社との連携を強める:物件の強みや、条件交渉にどこまで応じられるかを仲介会社に具体的に伝えておくと、紹介してもらいやすくなります。
  • 内見時の印象を整える:清掃、換気、電球の交換、玄関まわりの整理など、小さな手入れで印象は変わります。

当社の見解としては、問い合わせが少ないなら「募集情報」、内見があるのに決まらないなら「室内・条件」と、どの段階で止まっているかを仲介会社に確認することが、最も効率のよい第一歩です。

設備投資による空室対策と費用対効果の考え方

費用をかけない対策で改善しない場合は、設備投資を検討します。

入居者に人気の設備

全国賃貸住宅新聞が毎年発表している「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」人気設備ランキングでは、インターネット無料が長年上位を占めています。2025年10月発表のランキングでは、単身者向けで「高速インターネット(1Gbps以上)無料」が1位となりました。

また、県庁所在地周辺のワンルーム・1K・1DK物件では、インターネット無料物件の割合が43.2%に達したという調査もあります(2025年8月時点、SUUMO掲載物件をもとにした民間調査)。こうした設備は「あれば有利」から「なければ不利」に変わりつつあるといえます。そのほか、宅配ボックス、モニター付きインターホン、防犯カメラなども、入居者から求められることの多い設備です。

投資判断は「回収期間」で考える

設備投資は、かけた費用を何年で回収できるかで判断します。

回収期間(年)= 投資額 ÷(家賃の増加分+空室期間の短縮による収入増)の年額

たとえば、10戸の物件に設備を導入し、1戸あたり月1,000円の家賃アップが見込める場合、年間の増収は12万円です(1,000円×10戸×12か月)。導入費用と月々の運用コストを差し引いたうえで、物件の保有予定期間内に回収できるかを確認しましょう。

※この数値は計算方法を説明するための例です。

退去を防ぐことも空室対策

空室対策というと新しい入居者を探すことに目が向きがちですが、今の入居者に長く住んでもらうことも同じくらい重要です。退去が出るたびに、原状回復費用や募集のための費用、空室期間の家賃損失が発生するためです。

  • 設備の故障や入居者からの連絡に、すばやく対応する
  • 共用部の清掃・ゴミ置き場の管理を徹底する
  • 長く住んでいる入居者の更新時に、設備の交換などを提案する

こうした日々の管理の質は、口コミや物件の評判にもつながります。管理会社に任せている場合も、対応状況を定期的に確認することをおすすめします。

家賃を下げる前に考えておきたいこと

家賃の値下げは即効性のある対策ですが、物件の価値そのものを下げる点に注意が必要です。収益物件の価格は、家賃収入と利回りをもとに評価されることが多いためです。

たとえば10戸の物件で家賃を1戸あたり月1,000円下げると、年間の家賃収入は12万円減ります。この物件が表面利回り8%で評価されるとすると、評価額は約150万円下がる計算になります(12万円÷8%)。

※この数値は考え方を説明するための例です。

家賃を下げる前に、初期費用の見直しやフリーレント(一定期間の家賃を無料にする条件)など、月々の家賃を維持できる方法がないか検討しましょう。

それでも空室が埋まらない場合の選択肢

立地や建物の状況によっては、上記の対策だけでは改善が難しいこともあります。その場合は、次のような選択肢を比較します。

  1. リノベーション:間取りの変更や内装の全面改修で、ターゲットを変えて再募集する
  2. 用途の変更:エリアの需要に合わせて、別の用途での活用を検討する
  3. 売却・物件の組み替え:収支が改善しない物件を売却し、条件のよい物件に資金を移す

どの選択肢がよいかは、改修費用、今後の家賃収入の見込み、売却した場合の価格を比べて判断します。売却を検討する場合は、不動産売却の流れもあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 空室対策は、まず何から始めればよいですか?

A. 問い合わせ・内見・申し込みのどの段階で止まっているかを確認することから始めます。仲介会社に反響数や内見者の感想を聞くと、原因を絞り込みやすくなります。

Q. インターネット無料は、築年数の古い物件でも効果がありますか?

A. 築古物件でも、空室対策としてインターネット無料を導入するケースが増えています。ただし、導入費用や月々の費用がかかるため、回収期間を試算したうえで判断することをおすすめします。

Q. フリーレントと家賃値下げは、どちらがよいですか?

A. 一般的に、フリーレントは月々の家賃を維持できるため、物件の評価額への影響を抑えやすい方法です。ただし、短期間で退去されると収入が減るため、短期解約時の違約金などの条件もあわせて設定するのが一般的です。

Q. 空室が多い物件でも売却できますか?

A. 売却は可能ですが、空室が多いと評価額が下がる傾向があります。満室にしてから売るべきか、現状のまま売るべきかは物件によって異なるため、査定を受けて比較することをおすすめします。

まとめ

  • 岡山県の空き家率は16.5%(2023年)で全国平均を上回り、賃貸物件は「選ばれる理由」が求められる環境にある
  • 空室対策は、問い合わせ・内見・申し込みのどこで止まっているかを見極めることから始める
  • 写真・募集条件・仲介会社との連携など、費用をかけない対策を先に試す
  • 設備投資は人気設備を参考にしつつ、回収期間で判断する
  • 家賃の値下げは物件の評価額を下げるため、他の方法を先に検討する

空室対策に「これさえやれば大丈夫」という正解はありません。物件ごとに原因を見極め、優先順位をつけて取り組むことが大切です。

参考情報・出典

※本記事の統計は2023年10月1日時点の調査結果をもとにしています。個別物件の収支や税務については、専門家にご確認ください。

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