岡山市東区は、不動産業者のプロが選ぶ「住みたい街ランキング」では5位と、一見すると需要が弱いエリアと評価されがちです。
また、岡山市内で最も早く人口減少が発生したエリアの一つともされています。しかし、これらの表面的なデータだけでは見えてこない、東区独自の強みと安定性が存在します。
特に、岡山市内で最も低い空き家率や、中古マンション価格の大幅な上昇は、このエリアが特定の需要に支えられた「ニッチ市場」であることを示唆しています。
本コラムでは、東区の不動産市場を詳細に分析し、その隠れた魅力と、賢い投資・居住戦略について解説します。
東区の全体評価と人口動態
「住みたい街ランキング」5位・人口減少の先行
東区は、岡山市の行政区の中で「住みたい街ランキング」最下位という評価を受ける一方で、その市場には一見矛盾するようなデータが存在します。
この乖離は、東区の市場が、一般的な「ランキング」の基準とは異なる価値観を持つ人々に支持されていることを示唆しています。
所得水準と世帯構成(平均年収493万円、低所得層34.7%)
東区の平均年収は493万円で岡山県内30市町村中6位ですが、全国平均より10万円低いと報告されています。
年収300万円未満の世帯が34.7%と最も多いという特徴があり、これは高額物件への需要が限定的であることを示唆しています。
この所得水準が、後述する市場の特性に大きく影響を与えていると考えられます。
岡山市東区の需要動向
東区の需要は、全体的な評価とは対照的に、特定のセグメントで非常に堅調です。
芥子山学区・西大寺学区の安定需要
東区は地域全体としての需要低迷とは対照的に、特定の学区で安定した需要が見られます。
芥子山学区と西大寺学区は、生徒数から見て今後10年間は安定した需要が見込めるとされており、ファミリー層にとって魅力的なエリアです。
これは、地域全体としての需要低迷と、特定のニッチな需要が存在する「内部二極化」を示唆しています。
中古マンション価格の大幅上昇(+41.7%、今後+29.0%予測)
東区の中古マンション価格は、過去10年間で+41.7%と大幅に上昇しており、今後10年間で+29.0%の上昇が予測されています。
これは、特定の物件タイプや立地への需要が集中し、価格を押し上げている可能性を示唆しています。
空き家率最低(11.8%)の背景
東区の空き家率は11.8%と、岡山市の4区の中で最も低い水準にあります。この低い空き家率は、需要が弱いと評価されるにもかかわらず、既存の住宅ストックが効率的に利用されていることを示唆しています。
これは、平均年収が比較的低いことから、手頃な価格帯の物件が市場で吸収されやすい、あるいは賃貸需要が堅調である可能性を反映していると考えられます。
岡山市東区の供給市場動向
東区の供給動向は、多様な価格帯と小規模開発が特徴です。
戸建て・土地取引事例(高額・低額の幅広い取引)
東区の戸建ての取引では、西大寺中野の商業地にあるRC構造物件が1億円で取引されるなど高額取引がある一方、沼の木造物件で10万円といった低額取引も報告されており、価格帯に大きな幅があります。
土地取引でも、工業地で5.1億円、商業地で1.1億円といった高額取引がある一方、住宅地で10万円といった低額取引も報告されています。
新築着工戸数(年間457戸)の傾向
新設住宅着工戸数は、2019年に457戸(持家213戸、貸家167戸)が報告されています。東区では、大規模開発ではなく、市街化調整区域内の分譲地といった小規模な開発機会が見られます。
市街化調整区域内の開発事例(光津分譲地完売など)
東区では、市街化調整区域内でも建築可能な分譲地が存在し、東区光津では完売事例が報告されています。これは、既存の土地資源の有効活用が進んでいることを示唆しています。
大規模商業施設の出店が少ない一方で、既存のインフラや地域資源を活かした開発が進むことは、地域住民のニーズに応える形で、持続可能な発展を目指す方向性を示しています。
公共資産活用の動き(旧幸島小学校跡地の活用提案)
旧幸島小学校跡地(東区水門町)の活用提案が2025年7月25日から募集されており、地域資源の再利用と小規模な開発機会が存在します。これは、大規模投資よりも、地域に密着した小規模開発が有効となる市場であることを示唆しています。
投資戦略(ニッチ市場としての可能性)
東区は、全体的な評価とは裏腹に、特定の市場セグメントでは高い資産価値と需要を持つ市場であると考えられます。投資家は、以下の戦略を検討することが有効です。
特定の学区に焦点を当てる:芥子山学区や西大寺学区のように、安定した需要が見込めるエリアに絞って投資を検討する。
中古マンション市場の可能性を探る:中古マンション価格が大幅に上昇していることを利用し、リノベーションなどによって物件価値を高める戦略。
既存ストックの有効活用:空き家率が低いことから、既存住宅ストックが市場で吸収されやすい可能性があります。手頃な価格帯の物件を見つけ、賃貸需要を見込む。
まとめ
岡山市東区は、ランキングでは低い評価ながら、独自の強みを持つ「ニッチ市場」です。空き家率の低さや、中古マンション価格の大幅な上昇は、特定の学区や手頃な価格帯への需要が堅調であることを示唆しています。
大規模開発よりも、地域に密着した小規模開発や既存ストックの有効活用が有効となる市場であり、投資家や開発者は、この隠れた市場機会を見出すことができるでしょう。
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