はじめに|最初に悩む「どっちがいいの?」問題
不動産投資を始めると、最初にぶつかるのが「区分マンション」か「1棟アパート」かという物件タイプの選択です。
少額から始めたいけど、利回りも気になる
管理の手間を抑えたいけど、節税もしたい
将来の出口(売却)まで考えて選びたい
…と、選ぶ基準は人によってさまざま。
この記事では、実際の投資経験や現場での感覚も交えつつ、それぞれのメリット・デメリット、エリアごとの傾向や戦略まで詳しく解説していきます。
目次
区分マンション投資|「手軽さ」と「安定性」が魅力
区分マンション投資とは?
マンションの一室(専有部分)を購入して賃貸に出す投資。初期費用を抑えやすく、初心者にも人気です。
メリット
少額で始めやすい:数百万円〜で投資可能。副業として始めやすい
融資がつきやすい:金融機関の審査が通りやすく、住宅ローン並みの低金利も
管理がラク:共用部の管理は管理会社に任せ、手間が少ない
流動性が高い:都市部では買い手も多く、売却しやすい
リスク分散しやすい:複数戸で地域分散が可能
デメリット
利回りが低め:収益性では1棟に劣ることが多い
空室=収入ゼロ:1戸しかない場合は、空室=収入ゼロ
管理費・修繕積立金の負担:毎月かかる維持費が意外と重い
自由度が低い:管理組合の方針に従う必要がある
老朽化の影響:築古物件は資産価値が下がりやすい
1棟アパート投資|「収益性」と「自由度」を求める人に
1棟アパート投資とは?
土地+建物ごと所有する形式。複数戸の賃料収入を得られ、経営感覚も問われます。
メリット
高利回りが狙える:複数戸の合計家賃で利回りUP
空室リスクが分散される:全体の一部空室でも収益確保
減価償却で節税が効く:木造なら早期償却が可能
土地付きで資産性も安定:建物が古くなっても土地は残る
自由な経営判断が可能:改装や募集条件もオーナー次第
デメリット
初期投資が大きい:数千万円以上が一般的
融資難易度が高い:属性だけでなく物件評価も厳しく審査される
管理の手間が大きい:建物全体+入居者対応が必要
災害リスクが大きい:地震や火災時の影響が物件全体に及ぶ
売却しづらいことも:買い手が限られることがある
初心者が選ぶなら?|区分マンションのほうが無難
これから不動産投資を始める方にとって、次のような理由から「区分マンション」が有力な選択肢になります。
初期投資額が少なくて済む
融資が通りやすく、ローン返済のプレッシャーが少ない
管理の手間も少なく、本業がある人にも向いている
売却しやすく、資金回収もしやすい
一方で、ある程度の資金や経験がある方には、「1棟アパートでの高利回り運用」も大きな魅力。
最終的には、自分の資金力と投資スタンス次第です。
エリア別のおすすめ傾向と戦略
区分マンションにおすすめのエリアと戦略
首都圏の駅近エリア(東京23区・神奈川・埼玉・千葉)
賃貸需要が極めて安定しており、空室リスクが低い
単身者や共働き世帯からのニーズが高く、1R〜1LDKが人気
再開発や商業エリア、オフィス街近くでは値崩れしにくく、出口(売却)戦略にも有利
政令指定都市の中心部(大阪・名古屋・福岡・札幌・仙台など)
地方の中でも比較的流動性が高く、転勤・単身赴任層のニーズも見込める
駅や大きな病院、商業施設、大学の近くが狙い目
エリア次第では区分でも利回り6〜7%前後を狙えるケースもあり
大学周辺やオフィス街へのアクセスが良いエリア
学生・若手社会人向けに1R/1K需要が常に存在
特に大学のキャンパス移転・拡張予定があるエリアは将来性あり
学生街は家賃相場が明確な一方、卒業シーズンの空室対策は必要
戦略メモ
「物件価格が高くても空室リスクは低い」点を重視
賃料を下げずに済む立地を選ぶ=資産価値の維持にもつながる
売却時の流動性(出口戦略)まで想定した立地選定がポイント
1棟アパートにおすすめのエリアと戦略
地方中核都市の郊外エリア
仙台、広島、熊本、岡山など、一定の人口と経済圏を持つ地方都市の郊外が狙い目
物件価格が抑えられ、利回り10%超も狙える
駐車場付き・ファミリー向け間取りが好まれる傾向あり
駅から遠くても生活利便性が高いエリア
地方は車社会のため、駅徒歩ではなく「スーパー・病院・学校の近さ」が重視される
バス停や幹線道路沿いのアクセス性も評価対象
駅からの距離がある物件でも「暮らしやすさ」で満室維持が可能
企業の工場・研究所・オフィスが集まる地域
転勤族や単身赴任者の社宅代替として安定した需要
企業との提携(社宅利用)や長期入居が期待できる
通勤ルートや職場からの距離を意識して物件選定
大学の近く・学生街
学生の入れ替わりがあるため常に需要はあるが、空室シーズンに注意
Wi-Fi・家具家電付き・フリーレントなどの工夫で競争力を高める
卒業後の長期入居者転換ができるよう、間取りや設備を工夫すると尚良し
地方での満室維持のための工夫
地方投資は都市部とは違い、「購入後の工夫」で収益性が大きく左右されます。以下のような施策で、地方でも十分に満室経営を目指すことが可能です。
ターゲット層に合わせた物件作り
ファミリー層:広めの間取り/駐車場2台/収納の多さ
高齢者:バリアフリー/段差解消/緊急通報ボタンの設置
学生:ネット無料/家具家電付き/コンパクトな1K
競合物件との差別化
ペット可/DIY可/カフェ風リノベなど“選ばれる理由”を明確に
近隣物件と比較し、家賃以上の付加価値をつける
管理体制と地域密着
地元管理会社との連携強化で空室対策・トラブル対応を迅速に
入居者との信頼関係で長期入居につなげる
募集・広告戦略
ポータルサイト(SUUMO・HOME’S等)をフル活用
写真・間取りだけでなく、動画や360度ビューの活用も有効
SNSや自社HPでの情報発信で反響アップ
サブリースの検討(慎重に)
空室保証がある一方、家賃が下がる、契約解除しづらいなどの注意点も
管理負担を減らしたい場合は検討候補に入れる程度が無難
エリア選定の最終ポイント
区分は「需給安定・出口重視」、1棟は「高利回り・長期運用重視」
地方投資では、立地だけでなく「誰に・どんな暮らしを提供するか」がカギ
自宅から近い or 管理会社との信頼関係があるエリアはリスク軽減に有効
まとめ|あなたに合った投資タイプは?
どちらの物件タイプも「正解」であり、「失敗」でもあります。重要なのは、自分の状況と投資目的にフィットしているかどうかです。
区分マンションが合う人
初期費用を抑えて始めたい
融資で無理をしたくない
管理の手間をかけたくない
売却しやすさも重視したい
1棟アパートが合う人
利回りを最大化したい
節税効果も活かしたい
自分で運営・判断していきたい
地方や郊外の安定収益物件を狙いたい
不動産投資にはさまざまなスタイルがありますが、「いくらから始めるか」「どのエリアでどの物件タイプを選ぶか」は、人それぞれの状況や目的に応じて正解が変わってきます。
この記事が、これから投資を始める方のヒントになれば嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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※本記事は筆者の経験・調査をもとに作成しています。最終的な投資判断はご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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