障がい者グループホーム
完全ガイド 2025
令和6年度報酬改定から申請方法まで
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【2025年最新版】障がい者グループホーム完全ガイド
令和6年度報酬改定対応 - 共同生活援助の仕組みから利用方法まで
🆕 2024年度(令和6年度)報酬改定の主な変更点
- 基本報酬区分の見直し:従来の4:1、5:1配置区分(区分Ⅰ・Ⅱ)を廃止し、6:1配置に統一
- 人員配置体制加算の新設:手厚い人員配置を行う事業所への新たな評価制度
- 福祉・介護職員等処遇改善加算の一本化:従来の3つの加算を統合(2024年6月施行)
- 地域連携推進会議の設置:2025年度から完全義務化(2024年度は努力義務)
- 業務継続計画(BCP)策定の義務化:未策定の場合は減算対象
- 情報公表未報告減算の新設:WAM NETへの情報公表が必須
📌 この記事の重要ポイント
🆕 2024年度の主な変更
- 基本報酬を6:1配置に統一
- 人員配置体制加算を新設
- BCP策定が完全義務化
💰 利用料金
- 約50%の方が負担額0円
- 所得に応じた月額上限制
- 最大37,200円/月
📞 まず相談すべき窓口
- 市区町村の障害福祉課
- 基幹相談支援センター
- 申請から利用まで2-3ヶ月
1. 障がい者グループホームとは
障がい者グループホーム(正式名称:共同生活援助)は、障害のある方々が地域社会の中で自分らしく生活するための重要な住まいの選択肢です。障害者総合支援法に基づく法定サービスとして位置づけられており、家庭的な環境の中で必要な支援を受けながら共同生活を送ることができます。
🏠 全国事業所数
👥 全国利用者数
📊 平均入居者数
🎯 年間成長率
2. 4つの類型とサービス内容(2024年度改定版)
共同生活援助は、利用者のニーズに応じて4つの類型に分かれています。2024年度の報酬改定により、人員配置基準が統一されました。
🏠 グループホーム4類型の詳細(改定版)
介護サービス包括型
- 対象者:障害支援区分2以上(50歳以上は区分なし可)
- 人員配置:世話人・生活支援員 6:1配置(統一)
- 支援内容:入浴・排せつ・食事等の身体介護を一体的に提供
- 特徴:最も一般的な形態で全体の約8割を占める
外部サービス利用型
- 対象者:区分なし~区分3程度
- 支援内容:相談・見守り中心、身体介護は外部の居宅介護を利用
- 特徴:精神障害者の利用が多い
- 人員配置:世話人・生活支援員 10:1配置
日中サービス支援型
- 対象者:障害支援区分4以上の重度障害者
- 支援内容:24時間365日の手厚い支援
- 人員配置:生活支援員 3:1配置(日中)
- 定員:原則4名以下の小規模運営
サテライト型住居
- 居住形態:一般のアパート等での単身生活
- 支援方法:本体グループホームからの定期訪問
- 利用期間:原則3年以内(延長可能)
- 目標:完全な自立生活への段階的移行
3. 2024年度報酬改定の詳細
📊 人員配置体制加算の新設(2024年度~)
従来の区分Ⅰ・Ⅱで手厚い人員配置を行っていた事業所への新たな評価制度です:
加算区分 | 配置要件 | 単位数 | 対象者 |
---|---|---|---|
人員配置体制加算(Ⅰ) | 基準配置を超える世話人等を配置 | 障害支援区分に応じて加算 | 区分3以下:28単位、区分4以上:56単位 |
人員配置体制加算(Ⅱ) | 更に手厚い配置 | 障害支援区分に応じて加算 | 区分3以下:56単位、区分4以上:112単位 |
⚠️ 2024年度から完全義務化された項目
- 業務継続計画(BCP)策定:未策定の場合、基本報酬から3%減算
- 情報公表システム(WAM NET)への登録:未報告で10%減算
- 地域連携推進会議:2025年4月から完全義務化(2024年度は努力義務)
- 個別支援計画の質向上:より具体的で実効性のある計画作成が必要
4. 利用料金と負担軽減制度
利用者の負担は、所得に応じた月額上限が設定されています。2024年度も制度に変更はありません。
所得区分 | 世帯収入の目安 | 月額負担上限額 | 対象者の割合 |
---|---|---|---|
生活保護受給世帯 | 生活保護基準以下 | 0円 | 約15% |
低所得1(市町村民税非課税) | 年収約80万円以下 | 0円 | 約35% |
低所得2(市町村民税課税) | 年収約300万円以下 | 9,300円 | 約30% |
一般1 | 年収約600万円以下 | 37,200円 | 約20% |
5. 利用申請の流れ
2024年度から一部手続きが強化されましたが、基本的な流れは変わりません。
📋 申請から利用開始までの5ステップ
- 初回相談:市区町村の障害福祉課または基幹相談支援センターに相談
- 障害支援区分認定:80項目の調査と医師意見書による客観的な支援度判定
- サービス等利用計画作成:相談支援専門員による個別支援計画の策定
- 支給決定:市区町村による利用承認と受給者証の交付
- 事業所選択と契約:複数見学・体験利用を経て最適な事業所を選択
所要期間:通常2~3ヶ月程度
6. 事業所選択のポイント(2024年度版)
✅ 2024年度改定を踏まえた選択基準
基本的な確認事項
- BCP策定状況:感染症・災害時の業務継続計画が整備されているか
- 情報公表状況:WAM NETでの情報開示が適切に行われているか
- 地域連携体制:地域住民や関係機関との連携が取れているか
- 人員配置体制:基準を上回る手厚い配置が行われているか
サービスの質の確認
- 個別支援計画:利用者一人ひとりに合わせた具体的な計画があるか
- 職員の専門性:適切な資格と経験を持つ職員が配置されているか
- 利用者の表情・雰囲気:実際に見学して利用者の様子を確認
- 相談対応:困ったときに迅速・適切に対応してもらえるか
7. 今後の展望と課題
2024年度報酬改定は、グループホーム事業の質向上と持続可能性を目指したものです。今後も以下の点に注目が必要です。
🚀 今後の発展方向
- 地域共生社会の推進:地域住民との交流促進と相互理解の深化
- 個別支援の充実:一人ひとりのニーズに応じたオーダーメイド支援
- ICT活用の推進:デジタル技術を活用した効率的で質の高い支援
- 人材確保・育成:処遇改善と専門性向上による人材の定着
- 多様な住まいの選択肢:サテライト型や移行支援住居の充実
8. 相談・お問い合わせ先
🏛️ まず最初にご相談いただく窓口
お住まいの市区町村の障害福祉担当課が相談の起点となります。自治体によって名称が異なりますので、以下を参考に確認してください。
主な名称例:
- 障害福祉課(最も一般的)
- 福祉課 障害者福祉係
- 健康福祉課 障害者支援係
- 社会福祉課 障害福祉担当
- 障害者福祉課
- 介護・障害福祉課
📱 連絡方法:市区町村の代表番号に電話し「障害福祉について相談したい」とお伝えください。担当課に直接つないでもらえます。
📞 主な相談窓口の詳細
1. 市区町村障害福祉担当課
- 役割:制度説明、申請受付、障害支援区分認定、受給者証発行
- 相談内容:グループホーム利用の可否、申請手続き、事業所情報
- 受付時間:平日8:30〜17:15(自治体により異なる)
- 費用:無料
2. 基幹相談支援センター
- 役割:地域の障害者相談支援の中核機関
- 相談内容:総合的な生活相談、制度利用のコーディネート
- 設置:各市区町村に1箇所以上(人口規模により複数設置)
- 特徴:平日夜間・土日対応している場合もあり
3. 指定特定相談支援事業所
- 役割:サービス等利用計画作成、モニタリング
- 担当者:相談支援専門員
- 利用方法:市区町村からの紹介または直接相談
- 費用:無料(障害福祉サービスとして提供)
🔍 事業所を探す方法
1. WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)
- URL:https://www.wam.go.jp/
- 検索方法:「障害福祉サービス等情報公表システム」→「共同生活援助」で検索
- 情報内容:事業所基本情報、利用定員、空き状況、運営方針など
2. 都道府県・政令指定都市の情報
- 各自治体ホームページ:障害福祉サービス事業所一覧
- 障害福祉課:地域の事業所リスト提供
- 指定権者:都道府県・政令指定都市が事業所指定
🎯 障害種別専門の相談窓口
知的障害
- 知的障害者相談員:各市区町村に配置
- 手をつなぐ育成会:全国組織の家族会
- 療育手帳担当課:市区町村または都道府県
精神障害
- 精神保健福祉センター:都道府県・政令指定都市に設置
- 保健所・保健センター:地域の精神保健相談
- 精神障害者相談員:各市区町村に配置
発達障害
- 発達障害者支援センター:都道府県・政令指定都市に設置
- 子育て世代包括支援センター:18歳未満対象
- 発達障害者地域支援マネージャー:専門的支援調整
身体障害
- 身体障害者相談員:各市区町村に配置
- 身体障害者福祉センター:相談・訓練・交流
- 自立生活センター:当事者団体による相談支援
📞 緊急時・夜間の相談先
- 各都道府県の精神保健福祉センター:精神科救急情報センター
- 自治体の夜間・休日相談:基幹相談支援センターが対応する場合あり
- 警察・消防:生命に関わる緊急時は110番・119番
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間無料)
💡 相談時に準備しておくと良い情報
基本情報
- 障害者手帳:身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
- 現在の生活状況:在宅・入院・施設入所等
- 家族構成・介護者:支援体制の確認
- 収入状況:年金・工賃・家族収入等
医療・支援の状況
- 主治医・医療機関:診断名・服薬状況
- 現在利用中のサービス:通所施設・ヘルパー等
- 日常生活能力:食事・入浴・服薬管理等の状況
- 希望するグループホームの条件:地域・規模・支援内容
📋 相談から入居までの一般的な流れ
ステップ | 窓口 | 期間の目安 | 主な内容 |
---|---|---|---|
1. 初回相談 | 市区町村障害福祉課 | 即日 | 制度説明・対象確認・申請案内 |
2. 障害支援区分認定 | 市区町村(認定調査) | 1〜2ヶ月 | 80項目調査・医師意見書・審査会 |
3. サービス等利用計画 | 相談支援事業所 | 2〜4週間 | 個別支援計画作成・関係機関調整 |
4. 支給決定 | 市区町村 | 1〜2週間 | 受給者証発行・利用期間決定 |
5. 事業所選択 | 利用者・家族 | 1〜3ヶ月 | 見学・体験利用・契約・入居 |
9. 参考資料・データ出典
📚 主要な参考資料
政府・行政機関
- 厚生労働省:「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 厚生労働省:「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」
- 厚生労働省:「共同生活援助(介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中サービス支援型)に係る報酬・基準について≪論点等≫」
- 厚生労働省:「令和2年社会福祉施設等調査の概況」
- 政府統計の総合窓口(e-Stat):社会福祉施設等調査
統計データ出典
- 事業所数・利用者数:株式会社GLUG「障害者グループホームは儲かる?ビジネスモデルや収支、成功させるためのポイント」(2024年6月)
- 平均入居者数:厚生労働省「障害者の居住支援について」(2021年データ)
- 報酬改定内容:介護事業開業サポートセンター「2024年度(令和6年度)共同生活援助(障害者グループホーム)の介護報酬改定まとめ」(2024年5月)
- 人員配置基準:障がい福祉事業サポート大阪「令和6年度報酬改定 ~共同生活援助(グループホーム)の報酬改定~」(2024年8月)
専門機関・業界団体
- 全国社会福祉協議会:障害者福祉施設運営指針
- 日本知的障害者福祉協会:知的障害者支援に関する専門情報
- 日本精神保健福祉士協会:精神障害者支援の専門技術
- 日本相談支援専門員協会:相談支援技術、事例研究
学術研究・専門文献
- 障害者福祉研究雑誌:最新の研究成果、実践報告
- 社会福祉学会誌:制度論、支援技術の学術論文
- リハビリテーション研究:機能訓練、社会復帰に関する研究
⚠️ データの信頼性について
- 統計データの時点性:各統計は調査時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります
- 出典の多様性:政府統計、業界調査、学術研究など多様な出典を使用しており、調査手法や定義が異なる場合があります
- 地域差:全国平均と地域の実情には差がある場合があります
- 制度変更の影響:報酬改定により数値が変動する可能性があります
📖 詳細情報の確認方法
- 最新制度情報:厚生労働省ホームページ「障害福祉サービス等」
- 統計データ:政府統計の総合窓口(e-Stat)
- 地域情報:各市区町村の障害福祉課ホームページ
- 事業所情報:WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)
- 専門相談:基幹相談支援センター、指定特定相談支援事業所
⚠️ 重要な免責事項
- 情報の時点性:制度は随時改正されるため、最新情報は厚生労働省および市区町村で確認してください
- 地域差:自治体により運用が異なる場合があります
- 個別相談の必要性:具体的な申請や利用検討時は、必ず専門機関にご相談ください
📅 最終更新:2025年1月
本ガイドは2024年度(令和6年度)報酬改定の内容を反映した最新版です。制度は継続的に改正されるため、実際の利用検討時には必ず最新の公的情報をご確認ください。
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大城 廷寛
グループホーム運営コンサルタント
東京都でグループホーム5年間運営
管理者・世話人・夜間職員
サービス管理責任者補助
申請〜運営まで一貫して従事