不動産売却の完全ガイド 流れ・費用・税金と高く売るコツ

不動産売却の完全ガイド【2026年版】流れ・費用・税金・高く売るコツ | 岡山の不動産エージェント
Real Estate Selling Guide 2026

不動産売却の完全ガイド
流れ・費用・税金と高く売るコツ

はじめての売却でも迷わないように、査定から引き渡し、確定申告までの流れを順番にまとめました。費用や税金は計算例つきで、手元にいくら残るかがわかります。

2026年11月時点の制度で更新 読む目安 約15分 RE/MAX VALUE(豊商株式会社)
売却の流れ8つのステップと期間の目安
費用と手取り仲介手数料・税金の計算例
価格の決め方査定の見方と売り出し価格
税金と特例3,000万円控除と確定申告

この記事でわかること

  • 売却の流れと、かかる期間の目安
  • 仲介手数料など、売却にかかる費用
  • 手元に残るお金(手取り)の計算方法
  • 査定価格の見方と、売り出し価格の決め方
  • 媒介契約3種類の違いと選び方
  • 契約不適合責任など、契約の注意点
  • 譲渡所得税と3,000万円控除などの特例
  • 確定申告と、売却後に必要な手続き

01不動産売却の流れと期間の目安

不動産の売却は、査定から引き渡しまで3〜6か月ほどかかるのが一般的です。さらに、売った翌年には確定申告があります。まずは全体の流れをつかんでおきましょう。

  1. 1
    相談・情報整理1〜2週間

    売る理由、希望の時期、ローンの残りの金額、必要な手取り額を整理します。

  2. 2
    査定を依頼1〜2週間

    複数の会社に査定を頼み、価格とその根拠を比べます。

  3. 3
    媒介契約を結ぶ数日

    売却を任せる会社を決め、3種類の媒介契約から選びます。

  4. 4
    売り出しの準備1〜2週間

    書類をそろえ、片付け・清掃、写真撮影などを行います。

  5. 5
    販売活動・内覧1〜3か月

    ポータルサイトへの掲載などで買主を探し、内覧に対応します。

  6. 6
    条件交渉・売買契約1〜2週間

    買主の申し込みを受けて条件を調整し、契約を結んで手付金を受け取ります。

  7. 7
    決済・引き渡し契約から1〜2か月

    残りの代金を受け取り、ローンを返して、鍵を渡します。

  8. 8
    確定申告売った翌年の2月16日〜3月15日

    利益が出たとき、特例を使うときは申告が必要です。

住み替えのときは「売る」と「買う」の順番が大切

売却を先にすると資金計画が立てやすい一方、仮住まいが必要になることがあります。購入を先にすると引っ越しは1回で済みますが、二重のローンや、売れなかったときのリスクがあります。売れる価格の見込みと手取り額をはっきりさせてから決めましょう。

02売る理由に合わせた進め方と「仲介・買取」

「できるだけ高く」なのか「期限までに確実に」なのかで、進め方は変わります。最初に優先順位を決めておくと、価格の判断で迷いにくくなります。

売る理由ごとの進め方
売る理由優先すること価格の考え方期間の目安注意点
住み替え売買のタイミング相場どおりの価格3〜6か月購入とのスケジュール、つなぎ融資、仮住まい
資産の整理・現金化売却価格少し高めから始めて調整6か月〜1年周辺の売り出し物件、所有期間(税率)
相続相続人の合意、公平さ査定や鑑定を根拠に状況による相続登記(義務化)、相続空き家の特例の期限
離婚合意、公平さ査定を根拠に状況による名義、ローンの連帯債務・連帯保証、財産分与
転勤・資金が必要期間相場より少し下げて早めに1〜3か月買取も検討。価格と期間のバランス

仲介と買取の違い

一般的な売り方

仲介(個人などの買主を探す)

不動産会社が広告などで買主を探します。相場に近い価格で売りやすい方法です。

◎ 高く売りやすい

△ 時期が読みにくい。仲介手数料がかかる

早さを優先するとき

買取(不動産会社が直接買う)

不動産会社が買主になります。早く確実に現金化でき、内覧の手間もありません。

◎ 早い・確実。契約不適合責任が免除されることが多い

△ 価格は相場の7〜8割ほどになることが多い

ローンの残りが売却価格より多いとき(オーバーローン)

売るには、ローンを全額返して抵当権を外す必要があります。足りない分は自己資金で補うか、住み替えローンなどを検討します。返済が難しい場合は、金融機関の同意を得て売る「任意売却」という方法もあります。早めに金融機関と不動産会社に相談しましょう。

03売却にかかる費用と手取りの計算

売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。費用の合計は、売却価格の4〜6%前後が目安です(税金・ローン返済は別)。

主な費用
費用金額の目安ポイント
仲介手数料400万円超:売却価格×3%+6万円+消費税法律で決まった上限額。成約したときだけかかります
印紙税5千円〜6万円(売買契約書)1,000万円超5,000万円以下なら1万円(軽減税率は2027年3月31日まで)
抵当権の抹消費用1〜3万円ほど登録免許税(不動産1つにつき1,000円)+司法書士への報酬
ローンの繰上返済手数料0〜3万円ほど金融機関や返し方によって異なります
その他(必要な場合)内容による測量費、解体費、ハウスクリーニング、引っ越し費用など
譲渡所得税・住民税利益に対して約20%または約39%利益が出たときだけ。特例で0円になることも(第10章)

仲介手数料の上限

売却価格上限(税抜)速算式
200万円以下の部分5%価格×5%
200万円超400万円以下の部分4%価格×4%+2万円
400万円を超える部分3%価格×3%+6万円

※別途消費税がかかります。売却価格が800万円以下の空き家などは、特例により上限が30万円(税抜)になる場合があります(2024年7月から)。

計算例:3,000万円で売却、ローンの残りが1,500万円の場合
売却価格3,000万円
仲介手数料(3,000万円×3%+6万円)×1.1−105.6万円
印紙税軽減税率−1万円
抵当権の抹消・繰上返済の手数料など−約3万円
ローンの返済−1,500万円
手元に残る金額(税金を払う前)約1,390万円

※このほか、利益が出た場合は翌年に譲渡所得税・住民税がかかります。マイホームなら3,000万円控除で0円になることも多いです。

04売るタイミングの考え方

相場の上がり下がりを正確に読むのは、専門家でも難しいものです。相場よりも、ご自身の事情と税金のタイミングを優先するのが基本です。

買主が動きやすい時期

新年度に向けて住まいを探す人が増える1〜3月は、成約が増えやすい時期です。この時期に間に合うよう、秋〜年明けに売り出しの準備を始めるのがおすすめです。秋の転勤シーズン(9〜10月)も動きがあります。

金利の動き

住宅ローンの金利が上がると、買主が借りられる金額が減り、予算が下がりやすくなります。金利の上昇が続きそうなときは、売り出しを先延ばしにしないことも選択肢です。

周辺の売り出し物件

近くで似た物件がたくさん売りに出ていると、比べられて価格競争になりがちです。周辺の物件数や、大型分譲の予定も確認しましょう。

建物の築年数

建物の価値は築年数とともに下がります。特に木造の一戸建ては、築20年を過ぎると建物がほとんど評価されないことも。売ると決めたら早めに動くのが基本です。

税金のタイミングに注意
  • 所有期間5年:売った年の1月1日時点で5年を超えると、税率が約39%から約20%に下がります。取得日から丸5年では足りないので注意しましょう。
  • 所有期間10年:マイホームを10年超所有していると、さらに税率が下がる特例があります。
  • 住まなくなってから:3,000万円控除は、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売る必要があります。

05査定の見方と売り出し価格の決め方

査定は2種類

まずは目安を知りたいとき

机上査定(簡易査定)

住所・面積・築年数などのデータと、周辺の取引事例から計算します。早ければ当日〜数日でわかります。

売却を決めたら

訪問査定

担当者が現地で、日当たり・眺望・傷み具合・周辺環境などを確認します。より実際に近い価格がわかります。

査定価格の読み方

査定価格は「この価格なら3か月ほどで売れそう」という予想であり、その価格で買い取ってもらえるわけではありません。複数の会社の査定は、次のように見ましょう。

  • 一番高い査定:契約を取るために高めに出している可能性もあります。根拠となる事例と、売れなかったときの対応を必ず聞きましょう。
  • 中くらいの査定:もっとも現実的な価格の目安になります。
  • 一番低い査定:物件の弱点を指摘していることがあります。その理由は参考になります。
「査定額の高さ」より「根拠の確かさ」で選ぶ

高い査定を出した会社に任せても、相場より高すぎると売れ残り、結局は値下げすることになります。長く売れ残ると「何か問題がある物件では」と思われ、かえって安くなることもあります。

売り出し価格の決め方

方針売り出し価格見直しの目安向いている人注意点
高めに挑戦査定より5〜10%高く反応がなければ1か月ほどで時間に余裕がある長引くと値下げ幅が大きくなりがち
相場どおり査定の前後反響を見て少しずつ多くの方値引き交渉の余地を少し見込んでおく
早さを優先査定より少し下基本は見直さない期限がある買取の価格とも比べる

※数字は一般的な目安です。物件や地域の状況で変わります。

「2,980万円」のように、検索サイトの価格の区切り(3,000万円以下など)に入るように決めると、検索結果に表示されやすくなります。また、「最低限ほしい手取り額」から逆算して、下げられる下限の価格を決めておくと、交渉で迷いにくくなります。

06不動産会社の選び方と媒介契約

信頼できる会社・担当者の見分け方

  • 地域の実績:そのエリアで似た物件を売った経験があり、相場や買主の層をよく知っているか。
  • 査定の根拠:取引事例や、価格を上げる・下げる要因を、わかりやすく説明してくれるか。
  • 販売の計画:どこに・どう広告し、何か月目にどう見直すかを具体的に示してくれるか。
  • デメリットの説明:売れにくい点や費用、税金のことも、隠さずに話してくれるか。
  • 連絡の早さ:返事が早く、報告がこまめか。
  • 免許の確認:宅地建物取引業の免許番号は、国土交通省のサイトなどで確認できます。

媒介契約は3種類

種類ほかの会社にも依頼自分で買主を見つけるレインズへの登録販売状況の報告
一般媒介できるできる義務なし義務なし
専任媒介できないできる7営業日以内2週間に1回以上
専属専任媒介できないできない5営業日以内1週間に1回以上

※専任媒介・専属専任媒介の契約期間は最長3か月です(更新できます)。レインズは、不動産会社どうしで物件の情報を共有するシステムです。

一般媒介が向いている

駅近くのマンションなど人気がある物件で、複数の会社に競ってもらいたいとき。

専任媒介が向いている

任せる会社を決めて、販売に力を入れてもらいたいとき。親族や知人に売る可能性もあるとき。

専属専任媒介が向いている

窓口を1つにして、こまめに報告を受けながらすべて任せたいとき。

「囲い込み」に注意

売主と買主の両方から手数料を受け取るために、ほかの会社からの紹介を断ってしまう「囲い込み」が問題になっています。専任媒介・専属専任媒介では、レインズの登録証明書を受け取り、販売状況をこまめに確認しましょう。

07売り出し前の準備

そろえておきたい書類

書類使うところない場合
登記済権利証・登記識別情報引き渡しのときの登記司法書士による本人確認などで対応(費用がかかります)
購入したときの契約書・領収書税金の計算(取得費)売却価格の5%を取得費とする方法もあるが、税金が高くなりがち
固定資産税の納税通知書税金の精算、登記費用の計算市町村で評価証明書を取得
測量図・境界確認書(土地・一戸建て)面積と境界の確認必要に応じて測量(数十万円かかることも)
建物の図面・確認済証・検査済証建物の説明、買主のローン審査役所の台帳記載証明などで確認
管理規約・修繕の記録(マンション)管理状況の説明管理会社に依頼
ローンの残高がわかる書類返済額・手取りの計算金融機関に問い合わせ

物件を魅力的に見せる工夫

買主はまずインターネットの写真で物件を選び、内覧の第一印象で決めることが多いです。大がかりなリフォームより、費用をかけずにできることのほうが効果的です。

効果が大きい

片付け・清掃

物を減らすと部屋が広く見えます。玄関・水まわり・窓は特にきれいに。水まわりはハウスクリーニングを頼むのもおすすめです。

効果が大きい

におい・明るさ

ペット・たばこ・生活臭は、住んでいる人は気づきにくいもの。換気と消臭をし、照明はすべてつけ、カーテンを開けて明るく見せましょう。

状況に応じて

小さな修繕

切れた電球、壊れた網戸、建具のがたつきなど、安く直せるものは直しておきましょう。

慎重に

リフォーム

費用をかけても、その分だけ高く売れるとは限りません。「自分好みに直したい」買主も多いので、事前に相談しましょう。

建物の調査と、伝えるべきこと

知っておきたいルール
  • 建物状況調査(インスペクション):建物の劣化を専門家が調べるものです。不動産会社は媒介契約のときに、調査会社のあっせんができるかを説明することになっています。中古の一戸建てでは、買主の安心材料になります。
  • 伝えるべきこと(告知):雨漏り・シロアリ・設備の故障、近隣とのトラブル、過去の事件・事故などは、知っていることを正直に伝えましょう。事件・事故については、国土交通省のガイドライン(2021年)で、伝えるべき範囲の目安が示されています。
  • 「物件状況報告書」「設備表」:物件の状態や、付いている設備をまとめた書類です。正確に書くことが、あとのトラブルを防ぎます。

08販売活動と価格交渉

主な販売の方法

  • 不動産ポータルサイト:反響の多くはここから来ます。写真の質と枚数、説明文が大切です。
  • レインズ:ほかの不動産会社が抱えている買主にも紹介してもらえます。
  • チラシ・現地看板・オープンハウス:近所で探している人に届きやすい方法です。
  • 不動産会社の顧客への紹介:すでに家を探している人に、直接紹介してもらいます。
反響の数で、価格を見直すかを判断

売り出して2〜4週間たっても問い合わせや内覧がほとんどない場合は、価格が相場より高い可能性があります。担当者と、閲覧数・問い合わせ数・内覧数を確認して、見直すかどうかを判断しましょう。

内覧で気をつけること

  • 明るい時間帯に案内できるようにし、照明はすべてつけておく
  • 売主は説明しすぎず、買主がゆっくり見られるようにする
  • 買い物・学校・病院など、住んでいるからこそわかる情報を伝える
  • よくある質問(光熱費、近所の様子、売る理由など)への答えを準備しておく

価格交渉の進め方

場面売主の対応判断のポイント
値引きの相談その場で答えず、担当者と相談する時間をとる周辺の成約事例、反響の数
条件の調整価格だけでなく、引き渡し時期・設備・契約不適合責任の期間なども含めて考える最終的な手取り額で判断する
最終判断あらかじめ決めた下限の価格と比べて決める売れ残ったときの値下げや維持費とも比べる

買主の購入申込書(買付証明書)には、法的な拘束力はありません。ローンの事前審査が通っているかを確認すると、契約まで進む確実性を判断しやすくなります。

09売買契約から決済・引き渡しまで

売買契約で確認すべき項目

手付金

売買価格の5〜10%ほどが一般的です。相手が契約の履行に取りかかるまでは、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の2倍を払って解約できます(手付解除)。期限を決めておくのが一般的です。

住宅ローン特約

買主のローン審査が通らなかったときに、契約を白紙に戻せる取り決めです。手付金は返します。審査の期限と、借りる金融機関・金額を確認しましょう。

契約不適合責任

引き渡した物件が契約の内容と違う(雨漏り・シロアリなど)場合に、売主が修理・代金の減額などに応じる責任です。2020年の民法改正で「瑕疵担保責任」から変わりました。個人の売主は、責任を負う期間を「引き渡しから3か月」などに限ったり、免除したりする取り決めができます。

引き渡しの条件

引き渡し日、残す設備・置いていく物の扱い、境界をはっきりさせるか、固定資産税の精算方法などを決めます。

契約のトラブルを防ぐために

知っている不具合を伝えずに売ると、契約不適合責任を免除する取り決めをしていても、責任を問われることがあります。物件状況報告書には、知っていることをすべて正直に書きましょう。

決済・引き渡しの日の流れ

平日の午前中に、買主がローンを借りる金融機関などに、売主・買主・不動産会社・司法書士が集まるのが一般的です。所要時間は1〜2時間ほどです。

  1. 司法書士が、登記に必要な書類と本人確認をする
  2. 買主から残りの代金を受け取る(手付金を引いた金額)
  3. 売主のローンを返し、抵当権を外す手続きをする
  4. 固定資産税などの精算金、仲介手数料などを支払う
  5. 鍵・設備の説明書などを買主に渡す
決済の日に売主が用意するもの

登記済権利証または登記識別情報、実印、印鑑証明書(3か月以内)、本人確認書類、住民票(登記上の住所と今の住所が違う場合)、固定資産税の納税通知書、鍵、ローンの返済に関する書類など。
固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に1年分が請求されるため、引き渡し日で日割りして買主から精算金を受け取ります(起算日は1月1日または4月1日で、地域の慣習によります)。

10売却にかかる税金と確定申告

譲渡所得(売却の利益)の計算

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 売却費用)− 特別控除

取得費:買ったときの価格+購入時の諸費用 − 建物の減価償却費 / 売却費用:仲介手数料・印紙税など

建物は、住んでいた期間の分だけ価値が減ったものとして計算します(減価償却)。そのため、買ったときより安く売っても、税金上は利益が出ることがあります。購入時の契約書が見つからないときは、売却価格の5%を取得費とする方法もありますが、多くの場合は税金が高くなります。

税率は所有期間で変わる

区分所有期間(売った年の1月1日時点)税率
短期譲渡所得5年以下39.63%
長期譲渡所得5年超20.315%
マイホームの軽減税率10年超(利益6,000万円以下の部分)14.21%

※所得税(復興特別所得税を含む)と住民税の合計です。ほかの所得とは分けて計算します(分離課税)。

マイホーム・相続した家で使える主な特例

いちばんよく使われる

マイホームの3,000万円特別控除

自分が住んでいた家を売ったとき、利益から最大3,000万円を差し引けます。所有期間は問いません。

  • 住まなくなった日から3年目の12月31日までに売る
  • 親子・夫婦など特別な関係の人に売る場合は使えない
  • 10年超所有なら、軽減税率と一緒に使える
相続した家を売るとき

相続空き家の3,000万円特別控除

亡くなった方が1人で住んでいた家を相続して売るとき、一定の条件で利益から最大3,000万円(相続人が3人以上なら1人2,000万円)を差し引けます。

  • 1981年5月31日以前に建てられた一戸建て
  • 耐震改修または解体が必要(売った翌年の2月15日までなら買主が行っても可)
  • 2027年12月31日までの売却が対象

このほか、マイホームの買い換えで損をした場合に、ほかの所得と相殺できる特例などもあります。特例ごとに条件や期限、ほかの特例との併用の可否が細かく決まっているので、売る前に税務署や税理士に確認しましょう。

計算例:マイホームを3,000万円で売却(所有12年)
売却価格3,000万円
取得費購入時の価格と諸費用から、建物の減価償却費を引いた額(例)−2,200万円
売却費用仲介手数料・印紙税など−107万円
譲渡所得(特例を使う前)693万円
特例を使わない場合の税金693万円 × 20.315%約141万円
3,000万円控除を使った場合の税金0円

確定申告

売った翌年の2月16日〜3月15日に、住所地の税務署に申告します。3,000万円控除などの特例は、税金が0円になる場合でも申告しないと使えません。会社員の方も申告が必要です。

主な必要書類
書類入手先メモ
確定申告書・譲渡所得の内訳書税務署・国税庁サイト国税庁の作成コーナーで作れます
売却時の売買契約書・費用の領収書手元の控え仲介手数料・印紙税などの金額がわかるもの
購入時の売買契約書・領収書手元の控え取得費の計算に使います
登記事項証明書法務局所有期間や面積の確認
住民票の除票など市町村特例を使う場合で、売った家の住所と今の住所が違うときなど
翌年の住民税・保険料にも影響します

売却で利益が出ると、翌年の住民税のほか、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料が上がることがあります(特別控除を引いたあとの金額で計算されます)。また、所得で判定される制度(高齢の方の医療費の自己負担割合など)に影響する場合もあります。売却代金の一部は、税金などのために残しておきましょう。

11売却後の手続き

  • 住所変更:転出・転入の届け出(引っ越しから14日以内)
  • 火災保険・地震保険:解約すると残りの期間分が戻ることがあります
  • 電気・ガス・水道・ネット:引き渡し日に合わせて解約・精算
  • マンションの管理組合・自治会:退会の連絡、管理費の精算
  • ローンの保証料:繰上返済で戻ることがあるので確認
  • 確定申告:翌年2月16日〜3月15日。書類は保管しておく
相続した不動産を売るとき

2024年4月から相続登記が義務になり、相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になることがあります。また、売るには先に相続人への名義変更が必要です。遺産分割の話し合いとあわせて、早めに準備しましょう。

Qよくある質問

Q不動産の売却には、どれくらいの期間がかかりますか?
査定から引き渡しまで、一般的に3〜6か月ほどです。売り出してから買主が決まるまでが1〜3か月、契約から引き渡しまでが1〜2か月ほどが目安です。価格や物件の条件、時期によって変わります。早さを優先する場合は、不動産会社による買取という方法もあります。
Q住宅ローンが残っていても売れますか?
売れます。引き渡しの日に、売却代金でローンを全額返して抵当権を外すのが一般的です。売却代金だけで足りない場合は、自己資金で補うか、住み替えローンなどを検討します。
Q仲介手数料はいくらかかりますか?
売却価格が400万円を超える場合、上限は「売却価格×3%+6万円」+消費税です。3,000万円なら105.6万円(税込)が上限になります。成約したときだけ支払う成功報酬です。
Q査定を頼んだら、必ず売らないといけませんか?
いいえ。査定は無料のことがほとんどで、査定を受けたからといって売る義務はありません。まずは相場を知るために査定を受ける方も多くいます。
Q住みながら売ることはできますか?
できます。実際に多くの方が住みながら売却しています。内覧の日時を調整する必要はありますが、買主が暮らしのイメージを持ちやすいという良い面もあります。片付けと清掃をしておきましょう。
Q税金がかからない場合でも、確定申告は必要ですか?
利益が出なかった場合は、原則として申告は不要です。ただし、3,000万円控除などの特例を使って税金を0円にする場合は、申告が必要です。損失をほかの所得と相殺する特例を使う場合も申告します。
Q建物が古いのですが、解体してから売ったほうがいいですか?
一概には言えません。解体すると、解体費がかかるほか、翌年から土地の固定資産税が上がる(住宅用地の軽減がなくなる)ことがあります。古家付きのまま売り、買主が解体する方法もあるので、売り出す前に不動産会社に相談しましょう。

まとめ:納得できる売却のための5つのポイント

  1. 優先順位を決める:「高く」か「早く」か。必要な手取り額も先に計算しておく。
  2. 査定は根拠で比べる:一番高い査定ではなく、説明に納得できる会社を選ぶ。
  3. 費用と税金を先に知る:手数料・税金・ローン返済を引いた手取りで判断する。
  4. 物件の情報は正直に伝える:契約不適合責任のトラブルを防ぐいちばんの方法。
  5. 特例と申告を忘れない:3,000万円控除などは、申告して初めて使える。

不動産の売却は、一生のうちに何度もあることではありません。わからないことは、遠慮なく不動産会社や税理士などの専門家に相談しながら進めましょう。

ご注意ください

  • 本記事は、2026年11月時点の法令・制度にもとづく一般的な情報です。税制や特例は改正されることがあるため、売却する時点の最新情報をご確認ください。
  • 税金の計算や特例の条件は、個別の状況によって異なります。具体的な判断は、税務署・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。
  • 記事内の期間・金額・割合は一般的な目安であり、実際の売却結果を保証するものではありません。

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